軽自動車の廃車 - 解体返納(永久抹消)手続き完全解説!
- 1. 自動車の廃車の種類
- 2. 軽自動車の解体返納手続きの流れ
- 3. 解体返納手続きで用意する書類
- 3.1. 車検証(自動車検査証)がないとき
- 3.2. 自動車リサイクル券がないとき
- 4. 解体業者に車両の引き上げと解体を依頼する
- 4.1. 解体費用はどのくらいかかる?
- 4.2. どの解体業者に依頼するのがいい?
- 4.3. まずはネットで見積りをとってみるのがおすすめ
- 5. 業者から指示された書類を渡す
- 6. 解体依頼後、「解体報告記録日」の連絡を待つ
- 7. 管轄の軽自動車検査協会での手続き
- 7.1.1. 転居で車検証の住所と現住所が異なる時はどうする?
- 7.1. 軽自動車検査協会事務所での手続時に持参する物
- 7.2. 軽自動車検査協会事務所の受付時間と手続きの所要時間
- 7.3. 軽自動車検査協会事務所での手続きの流れ
自動車の廃車の種類
登録車 | 軽自動車 | |
永久抹消登録 | 解体返納 | 車台を解体処分するための廃車手続き。 同じ車両を再度登録してナンバーを取得することはできない。 |
一時抹消登録 | 自動車検査証返納届 (通称:一時使用中止) | 一時的に登録を抹消する廃車手続き。 いわゆるナンバー返納。 再度登録してナンバー取得が可能。 |
輸出抹消仮登録 | (輸出予定届出) | 自動車を輸出するための廃車手続き。 この手続き経なければ輸出できない。 一時抹消登録とほぼ同じ。 |
ここでは、軽自動車の車両を解体(スクラップ)する「解体返納」の流れについて解説していきます。
普通自動車(登録車)の解体返納手続きにあたる「永久抹消登録」については以下のページをご覧ください。
軽自動車の解体返納手続きの流れ
- 車検証・自動車リサイクル券を用意する。
- 自動車リサイクル券はたいてい車検証入れの中に入っています。
- 解体業者に車両の引き取りと解体を依頼する。
- この先の手続きを代行してくれる業者もあります。業者に任せればこの先の手続きは不要です。
- 軽自動車検査協会で手続きをする。
- 普通車は運輸支局で手続きをしますが、軽自動車は軽自動車検査協会というところで手続きをします。
解体返納手続きの大まかな流れはこのようになります。
以下、詳しくみていきましょう。
解体返納手続きで用意する書類
- 車検証
- 自動車リサイクル券
車検証(自動車検査証)がないとき
車検証は再発行が出来ます。車検証の再発行のやり方は以下をご覧ください(車検証がなくても車両の解体だけ先にしておくことは可能です)。
自動車リサイクル券がないとき
自動車リサイクル券を無くした、あるいは汚損してしまった時は以下の方法で代用することが出来ます。
解体業者に車両の引き上げと解体を依頼する
書類の準備が出来たら解体業者に解体を依頼します。ディーラー等の自動車販売店に聞いてもいいですし、最近ではネットで解体の受付をしている業者さんもあります。なじみのあるディーラーは安心感というメリットがありますが、費用的な面を考えると解体業者に直接依頼した方がいいでしょう。
解体費用はどのくらいかかる?
もっとも気になるのは解体の費用ではないかと思います。費用は車の状態、廃車を依頼する業者次第で大きく変わってくるため具体的にいくらとは出しにくいのですが、数万円程度かかることもあれば費用はかからずに逆に買取をしてくれることもあります。
もし車が完動車で自走して解体業者まで持ち込めれば輸送費は発生しませんが、逆に事故で大破していたり長年動かしていないような不動車だとレッカー車やクレーン車で引き上げなければなりませんのでその分輸送費用や技術費用が発生します。
どの解体業者に依頼するのがいい?
すぐに思いつくのがディーラーです。ディーラーは自社で車両の処分をするわけではないので買い替えの時は廃車費用はサービスしてもらえるかもしれませんが、廃車のみを依頼すると比較的高額な手数料をとられます。安心感を重視したい方はお付き合いのあるディーラーに依頼されるのがいいでしょう。
費用的な面を考慮すると解体業者に依頼することになりますが、一口に解体業者といっても自社で解体を行っているところから運搬のみを行っているところまで様々な業者があります。
自社で最終処理まで行える業者はリサイクル部品の回収と販売まで手掛けている分、引取料は無料かリサイクル金属の市場価格や車の状態次第では買い取りをしてくれます。こうした事情もあって自動車買取業者の中には不動車や事故車の買取をしている業者もありますので、解体業者ではなく買取業者を利用するという方法もあります。
まずはネットで見積りをとってみるのがおすすめ
出来れば自社処理をしている解体業者に依頼したいところですが、普段から解体業者とお付き合いのある方はあまりいないかと思います。手間なく廃車にしたいという方も、いくらかの戻りを期待している方もまずはネットで見積をしてみることをおすすめします。
業者から指示された書類を渡す
無事に解体業者を見つけて解体を依頼した後は車両の引き渡しです。
車両引き渡し後の手続きは、自分で運輸支局まで出向いて手続きをするのか、業者にやってもらうのかによって解体業者に渡す書類が異なります。
業者に全て任せる時は、指示された書類(車検証・自動車リサイクル券・委任状・など)を渡します。車と一緒に必要書類を持っていく業者が多いかと思います。業者に全てを任せるときはここで廃車の手続きは終了です。
自分で手続きをする時は業者に自動車リサイクル券を渡します。自動車リサイクル券は切り離さずにそのまま渡してください。解体業者から自動車リサイクル券の[B券](使用済自動車引取証明書)が返却されますので忘れずに受領してください。軽自動車検査協会で手続きをする際必要になります。
ナンバープレートも車両を引き上げる際に手渡されますが、ナンバープレートも廃車手続きの際軽自動車検査協会に返納しますので処分せずに保管しておいてください。
解体依頼後、「解体報告記録日」の連絡を待つ
ご自身で運輸支局で永久抹消登録の手続きをする方は業者から解体完了の連絡が来るのを待ちます。連絡方法は電話やメールです。解体完了までの日数は業者によって異なりますが、たいていは引き渡しから数日~1週間程度です。
「〇月〇日解体が完了しました」という日付(解体報告記録日)は、後日軽自動車検査協会での手続きで必要になります。
忘れずメモをするようにしてください。
管轄の軽自動車検査協会での手続き
解体返納手続きが出来るのは車検証に記載されている「使用の本拠の位置」の住所を管轄する軽自動車検査協会の事務所(支所)です。平たく言うと、ナンバープレートを管轄している軽自協会事務所です。
他地域の事務所では手続きが出来ません。事務所まで遠い場合はその地域の自動車手続きを扱っている行政書士にご依頼ください。
軽自動車検査協会の事務所所在地は以下のサイトで調べられます。
>全国の事務所一覧 | 軽自動車検査協会 本部 (keikenkyo.or.jp)
一時使用中止(一時抹消)をしている車両の解体届出に関してはどこの軽自協会事務所でも手続きが出来ます。
転居で車検証の住所と現住所が異なる時はどうする?
現住所を管轄する軽自動車協会事務所でも解体返納が出来ます。その際、発行されてから3ヶ月以内の住民票または印鑑証明書が必要となります。手続きとしては住所変更をして抹消する(移転抹消・転入抹消)をすることになります。
申請書(OCR軽第4様式の3)は現住所で記入してください。
軽自動車検査協会事務所での手続時に持参する物
- 車検証
- 取り外したナンバープレート(前後2枚)
- 自動車リサイクル券B券(解体業者が記入済みのもの)
- 解体報告日のメモ
- マイナンバー(カードか通知書)
- 身分証明書(運転免許証など)
- 税金の戻りを入金する銀行口座番号
- 代理人に申請手続きや重量税の還付受領を委任する時は委任状(申請依頼書)
車検期間の残りが1ヶ月以上ある時は残り期間に応じて自動車重量税が月割りで還付されます。その際にマイナンバー(個人番号)が必要になります。マイナンバーカードまたはマイナンバー通知書でご確認ください(法人所有の時は法人番号)。
軽自動車検査協会事務所の受付時間と手続きの所要時間
受付は平日のみです。午前の受付時間は8:45から11:45まで、午後の受付時間は13:00から16:00となっています。
所要時間は混み具合によって全く変わってきます。空いていれば1時間もかかりませんが、混んでいると2時間以上かかることもザラにあります。受付開始直後の朝一番、休み明けの日、月末はどこの事務所も混雑しています。特に3月の週末および月末は1年で最も混みあいますので可能であれば避けた方がいいです。
軽自動車検査協会事務所での手続きの流れ
「OCR軽第4様式の3」を記入します。用紙は軽自協会事務所で配布しています。軽自動車協会のサイトでダウンロードすることもできますが、自分で印刷したものは読み取りエラーが多いようなので窓口配布の用紙に記入した方がいいかもしれません。
当日手間取らないようにダウンロードしたものに下書きをしておくといいです。
申請用紙を記入し、総合受付窓口に提出する
総合受付窓口で「解体返納」の手続きをすることを伝えると必要な書類一式を渡されます。記入後、再度総合受付窓口に提出すると書類のチェックをしてもらえますので不備があれば指示通りに訂正します。
申請用紙の記入例は以下のページで解説しています。
軽自動車税申告書を地方税窓口に提出する
次の軽自動車税を止めるための手続きです。総合受付窓口で書類を渡されることもあれば、地方税窓口で書類を渡されることもあります。
指定された窓口に書類を提出する
総合受付で指定された窓口に書類を提出します。重量税の還付がある時は「自動車重量税還付申請書付表1」という証明書が交付されます。これで手続き終了です。