車庫証明の配置図の書き方。パターン別完全解説!立体駐車場や機械式駐車場の注意点。

車庫証明の配置図に必ず記載すること

  1. 車庫が面している道路の幅員
  2. 車庫の出入り口の幅
  3. 駐車区画の幅と奥行き

以上3つはどのような駐車場であっても記載する必要があります。

ルーフ付きの駐車場や立体駐車場・機械式駐車場等のように高さ制限や重量制限があるときは制限の数値も配置図に記載します。

もし制限があるのに制限を書いていない場合、配置図は書類不備となり修正を求められることがあります。

駐車区画や道幅の距離の測り方

駐車区画の幅や奥行きを採寸するときはメジャーを用意してください。ホームセンターの工具売場などで売られている巻き取り式のもので十分です。

採寸は白線で区画分けされている駐車場ではラインのすぐ内側で行います。一戸建てのガレージのようなラインの引かれていない駐車場では駐車しようとする位置に相当する場所、またはガレージ全体で採寸します。

1cm単位までの正確性は要求されるわけではありませんが、あまりにも実態とかけ離れた数値で提出すると再提出を求められます。現地調査の際2桁センチ単位の誤差があると補正を求めらる可能性が高くなります。

また駐車区画の寸法が車体が収まるギリギリのサイズのときはきっちり検査されますのでご注意ください。

車庫証明の道幅はGoogleMapsで十分測れます

道路の幅はGoogleMapsなどの地図ソフトで算出した数値でも十分です。地図ソフトで道路幅を計測する時は、誤差を最小限にするため地図を最大限ズームしてから測るようにしてください。

GoogleMapsでの距離の測り方は、自宅と駐車場の距離の測り方向けではありますが、以下のページで解説しています(パソコン・iPhone向け)。

徹底解説!車庫証明所在図の書き方&自宅と駐車場の距離の測り方

所在図の目的は「使用の本拠の位置」と「自動車の保管場所の位置」の関係を把握することにあります。 使用の本拠の位置と同じ敷地内を保管場所とするときは所在図は不要で…

駐車場のパターン別配置図の作成方法

一戸建て自宅敷地内の平面駐車場

まずは敷地が面している道路と敷地全体を描きます。家屋と自動車保管場所の位置関係が分かる程度に描いておけば問題ありません。敷地が面している道路の幅と、駐車場出入口の幅、駐車場の奥行きを書けば完成です。

庭の一角を自動車保管場所とする時も同じ要領です。敷地の面している道路の幅、車の出入口の幅を書き、保管場所とするところを四角で囲んで幅と奥行きを書きます。明らかに車が収まる広さの庭であっても保管場所の幅と奥行きは記載しなければならないので車庫証明をとる車のサイズ以上の数値を書いておくようにして下さい。

もし駐車場に屋根があるときは屋根の高さを保管場所付近の余白に書きます。「高さ: 〇m」といった具合に書けばOKです。

自宅平面駐車場

マンションやアパートに隣接する平面駐車場

駐車場が面している道路の幅、駐車場の出入口の幅を記載するのは戸建ての平面駐車場と同様です。

マンションやアパートに隣接する駐車場の場合、複数の区画が設けられていることが多いですが、車庫にする区画の幅と奥行きを記載します。また、マンションやアパートの建物と建物名も配置図に書いておきます。

自分が契約している駐車枠の区画番号も忘れずに配置図に記入するようにしてください(区画番号のない駐車場は後述)。契約していない区画の区画番号は記載しなくても問題ありませんが、両端など目印になりそうな位置の区画は番号を書いておいた方がいいでしょう。

集合住宅の駐車場は敷地内にいくつもの駐車区画があることが多いですが、区画数が多いときは下の例図のように「~」や「・・・」と記して区画を省略して書くことも出来ます。

マンションアパートの平面駐車場

数値と位置関係さえ正確に記入していれば、縮尺を正確に反映させる必要はありません。例図では出入り口の3mと駐車枠の5mの奥行きが図面上ほぼ同じ長さになっていますが、数字が把握できればいいので問題ありません。

区画番号や駐車枠線がない平面駐車場の配置図

区画番号がなかったり、駐車枠が設けられていない平面駐車場の配置図は以下のように作成します。

駐車枠のない平面駐車場

区画番号のない駐車場の場合、「西側ブロック・出入口から3区画目」といった感じで東西南北の方角で契約している区画が特定できるように書きます。

上下左右で書くとどこの右側・左側なのかが見る人によって変わってきますので誰が見ても分かるように方角で書いておく方が無難です。書くところは駐車枠近くの余白など分かりやすいところであればどこでもかまいません。

区画番号がないだけの駐車場では敷地の広さや駐車区画の位置を特定するための数値(上図の「20m」や「8m」の数値)を書く必要はありません。

区画線のない駐車場

空地などで敷地に区画が設けられていない駐車場の場合、敷地のどのあたりが保管場所なのかを特定できるように書きます。

敷地の広さにもよりますが、保管場所の位置が特定できていない配置図では申請が通りません。田舎の方ではそこまでうるさくないのですが、都市部の警察署だと敷地のどの辺りが保管場所なのかを特定するように言われます。

上図のは敷地の端から保管場所までの距離(敷地奥から8m)を書くことで駐車位置を特定しています。そのほか、木や建物、電柱などを基点に距離を測って保管場所を特定しても構いません。

区画線もなく、駐車位置も決まっていない駐車場

「敷地内ならどこでもとめていい」という感じの駐車場です。このような駐車場は車庫証明をとる上でとても厄介です。

警察署でどのあたりが保管場所なのかを書くように言われる上に、土地所有者の方に対してはその敷地の現在の契約台数や一般開放の有無などを事細かにつっこまれます。他の自動車が止っていてその保管場所を使えなくなる恐れがあると判断されると車庫証明はおりません。

大まかでかまいませんので上図のように自動車保管場所が敷地内のどの辺りなのかを特定した上で、実際に区画の線がひかれていない場合であっても自動車保管場所の幅と奥行きを書くようにしてください。(車庫証明をとる車以上の幅と奥行きを書いておけば問題ありません。)

明らかに十分な面積のある土地であっても警察署によっては自動車保管場所の幅と奥行きが書かれていなければ「自動車保管場所の特定がなされていない」として配置図として認めてもらえないことがあります。

加えて車庫証明がおりるまでは保管場所にした位置に他の車をとめられないようにしておく必要があります。

工場や倉庫、学校などの敷地内を自動車保管場所とする場合

工場や港湾施設・物流倉庫などの大型事業所や公共施設などのように敷地面積が広く敷地内に複数の施設がある場合であっても敷地全体または道路から自動車保管場所に至るまでの経路を配置図にする必要があります。しかし、敷地全体を詳細に書く必要はありません。

  • 敷地出入口から保管場所までの経路
  • 経路の道幅
  • 保管場所に至るまでの目印
  • 駐車枠がない時は保管場所の位置を特定

以上のポイントをおさえた配置図を作成します。

配置図は正確な縮図を作成する必要はありません。以下の例図のように縮尺をデフォルメしてしまっても問題ありません。同じ5mでも地図上の長さはバラバラです。

工場倉庫学校などの敷地内駐車場

敷地内に建物が複数ある時は自動車保管場所周辺の主だった建物や、道路の出入口(正門など)から離れている時は自動車保管場所までの経路が分かるよう目印になる建物などを書きます。現地調査をする警察署の職員が自動車保管場所までたどり着ける程度のものであれば問題ありません。

自動車保管場所まで敷地内の道路を通行するときは、その経路の道幅も記載します。上図だと事務所横の「3.0m」という数字が経路の道幅になります。

敷地内の駐車場を自動車保管場所とする時は駐車場に至る経路を書き、駐車枠のどの位置が自動車保管場所なのかを分かるように記入してください。平面駐車場の配置図の書き方は「マンションやアパートに隣接する平面駐車場の配置図」をご参照ください。

建物周辺の空きスペースを駐車場とすることも多いかと思いますが、建物の端や建物の出入口など基準となる場所から自動車保管場所までの距離を書くことで車庫証明を申請する自動車保管場所の位置を特定します(上図参照)。

ただし、警察署の現地調査の際、その場所に物が置いてあったり他の自動車が駐車してあったりすると車庫証明がおりなくなる可能性がありますので注意が必要です。

機械式駐車場(多段型・二段型)の配置図

機械式駐車場は一見すると複雑そうですが作成の要領は平面駐車場と同じです。上から見た平面図を作成します。他のパターンの配置図同様、正確な縮図を作る必要はありませんからデフォルメしたもので十分です。機械式駐車場の配置図を作成するにあたっての注意点は以下の3つです。

  • 高さ制限や重量制限を記載する。
  • ターンテーブルがある場合はターンテーブルを描く。
  • 何段目のどの駐車区画なのかを書く。

ターンテーブルがなければ車庫入れ出来ない広さの駐車場ではターンテーブルを描き忘れると書類の修正が終わるまで車庫証明の申請手続きが進まなくなってしまいます。

ターンテーブルのある位置に円を描いてターンテーブルと書きます。ターンテーブル設備があることが分かりさえすればいいのでおおよその位置でかまいません。

機械式駐車場(ターンテーブルつき)

機械式駐車場で必ず記載しなければならないのが「高さ制限」と「重量制限」です。「未満」や「以下」の表記も忘れずに書きます。制限値の記載漏れがあると車庫証明の申請を受け付けてもらえません。

機械式駐車場の高さ制限や重量制限、駐車区画の寸法は駐車場に表示されているものをそのまま書き写してください。駐車区画の寸法のかわりに収容可能車両の最大幅や最大長が表示されているときは最大幅・最大長を書きます。

通常、操作盤付近や左右どちらかの柱にプレートが貼り付けてあります。不明な時は駐車場管理会社や不動産会社に問い合わせてください。

駐車区画番号もそれぞれの区画に表示されていないときは操作盤付近や左右どちらかの柱に書かれていることが多いですが、不明な時は自動車保管場所が「何段目のどの区画か」が分かるように余白に記載します(例:「1段目・出入口側から3区画目」など)。

駐車場の面している道路の幅、駐車場の出入口の幅も他のパターンの配置図同様必要ですので書き忘れがないようご注意ください。

機械式立体駐車場(エレベータ式)

いわゆるタワーパーキングと呼ばれている、ビルの中身が駐車場になっていてエレベータで車を上階へと移動させるタイプの駐車場です。建物内部を配置図にするわけにもいかないので下図のような配置図を作成します。至ってシンプルな配置図です。

各種制限は「未満」や「以下」の表記も含めて駐車場に表示されている数字をそのまま書きます。幅の制限が書かれていない時は出入庫口の幅を記載します。幅の制限が分かれば出入庫口の幅を計測する必要はありません。

契約時に固有の呼出番号が割り振られている時は呼出番号も記載します(呼出番号が駐車区画に相当します)。

呼出番号のないタワーパーキング

駐車のたびに呼出番号が変わるタイプのタワー駐車場の場合、呼出番号の記載は不要です。

しかし、このようなタイプの駐車場の場合駐車区画が不明なため、ほとんどの警察署では駐車場所有者に対し収容可能台数や現在の契約台数、契約の内容(月極か定期貸か)の照会を行います。

定期貸契約だと満車時に駐車出来ないので車庫証明は取得できません。

賃貸借契約書を所有者に無断で承諾書代わりに使うと警察署からの照会で所有者が知ることになり違約金を請求される等のトラブルになる可能性もあります。必ず契約時に車庫証明を取得することを所有者側に伝えておくようにしてください。

立体駐車場(自走式)の配置図

自走式立体駐車場とは大型ショッピングモールなどに併設されているようなタイプの駐車場です。立体駐車場のどこをどう描けばいいのか分かりにくいかもしれませんが、配置図の描き方は他の配置図と同じです。上から見た平面図を描きます。

立体駐車場の配置図を描く時のポイントは以下の4点です。

  • 配置図は契約している階層でよい。
  • 道路に面した敷地出入口の幅は忘れずに書く。
  • 高さ制限を忘れずに書く(制限があるとき)。
  • 区画番号がないときは目印の柱などを基点に位置を特定する。

仮に5階を契約しているとすると、5階の階層だけを配置図にします。

立体駐車場であっても駐車場の敷地に面している道路幅と敷地出入口の幅は必ず記載します。この2点は配置図に絶対記載しなければならない事項なので書き忘れがないようご注意ください。

下図のように道路や出入口のある1階部分と駐車区画のある上層階部分が混在する平面図となってしまいますが、このような図で問題ありません。

立体駐車場

もし道路から立体駐車場建屋まで敷地内経路があるときは敷地内経路の道幅と建物出入口(車用)の位置も記入します。

立体駐車場(敷地内経路あり)

立体駐車場は駐車区画数が多く全ての区画を配置図に描くと非常に見難い配置図となってしまいます。上図のように区画や島は必要に応じて省略し、自動車保管場所となっているところだけを詳細に描くようにします。

立体駐車場の中には区画番号がつけられていないところもあります。区画番号がないときは柱にアルファベット等で番号表示があればその柱を基点に自動車保管場所となる駐車区画を特定します。

上図の例ではC5柱を基点に区画を特定しています。位置関係は「左右」で書くより方角で記入した方が客観的に位置を特定できるので、可能な限り方角で記入してください(地図の端に方角の記号を書いて、位置関係を左右で表記する方法でも可)。

番号表示のある柱もないときは、その階層にある島だけを配置図に描き、どの島のどの区画が自動車保管場所なのかを書きます。

立体駐車場は管理会社が管理していることが多いので、契約の際に駐車場の見取り図をもらっておくと配置図の作成が楽になります。

配置図は立体駐車場の図面で代用できる?

図面のコピーを添付して配置図にすることも出来ます。図面を添付するときは配置図を記入する欄に「別紙添付」または「別紙参照」と記入します。

図面を添付する際気を付けていただきたいのは情報の記入漏れです。図面のコピーをそのまま出してしまう方がいらっしゃいますが、契約している区画の位置、区画の幅と奥行き、高さ制限や重量制限、出入口の幅や道路の幅の情報がなければ配置図として認められません。

手書きでも問題ありませんので、契約している区画を囲んで幅や奥行きを記入して、道路の幅等の必要な情報も目立つように書いておくようにしてください。

縮小コピーした図面を添付するときは文字が不鮮明で読み取りにくいこともあります。そうすると、書類の再提出などの手間がかかるだけでなく、車庫証明が発行されるまで時間がかかります。高さ制限などの数値は、赤ぺン等で目立つように書いておくことをおすすめします。